鉄塔ハイキング21
高速道路か地下鉄みたいな名前だな
千鳥町線
これは2012年12月に歩いた記録です。
2020年8月、一部改編。
しれっと再開。
別に中断してたわけではないが、見に行く時間がとれなくて。
身内の入院などで秋はあっというまに過ぎていた。
手がかじかむほど寒いのでなければ、冬は鉄塔ハイクにはいい季節。
行きたいところは2カ所あったが、まずは近場からということで、川崎へ。
1番から5番
川崎からバスに乗る。
降りたところはトンネルの前だ。
人は通れませんと繰り返しアナウンスしている。
今日は通りません。
少し歩いて着いたところはここ。
ここから始める。 発電所を出発するのはもしかして初めてではないか。 バス停からトンネルに向かって歩くと発電所で、送電線はバス停方向に伸びていく。鉄塔を追いかけるにはもういちど戻ることになる。
翻って方向を変える前に、少し発電所の中をのぞいてみたい。さらに前に進む。 もっと奥にある1番鉄塔が見たいではないか。
これは門のすぐ横のもの。直角曲げタイプと勝手に命名。
しかし進んですぐに塀と緑に阻まれた。
望遠で覗いたところ、3つの鉄塔があった。
では、向きを変えて鉄塔について行こう。
プレートには何とあるだろう。発電所内の鉄塔のプレートは見えなかったから名前がまだわからない。
千鳥町線でありました。これが4なので、発電所の門の近くのは千鳥町線3。
望遠で2と1を覗いたことになるのだろう。
パイプの存在感。むき出しの存在感。ここでは人より、中のガス(注意書きによるとアンモニアや蒸気なのだそうだ)のほうが優先されるようだ。曲がりくねっているのは中のガス圧が偏らないようにするためだろうか。
千鳥町線5
下がカーブしている。他の門型鉄塔もしてたっけな。どうだったかな。
道端にあるので存分に近寄れる。もちろん触れる。耳を当てればよかった。そういう楽しみもあったのに、忘れてた。ブランクだ。
6番から10番
坂がなく、道もまっすぐなので次の次くらいまでよく見える。
次はなんだかごちゃごちゃしている。
千鳥町線6
ぐねぐねパイプに気を取られずに鉄塔をよく見ると。 キューブタイプだった。
連続したふたつのたわみが見られる。郵便局に置いてある老眼鏡のようにレンズを最小限にした眼鏡を思い出した。
太陽を背にして歩いているので逆光を免れる。
太陽を向いて撮る時は影に入らないとレンズ越しの太陽を見てしまう。
これは小さな標識の小さな影に入って撮った。
次はよく見ると2色になっている。 下1/3が白、残りは薄い灰色。
千鳥町線7 パイプに青で書いてある模様はなんだろう。凹面鏡とか凸面鏡をあてると字がでてくるのか。 色が変わるところはこうなっている。鉄骨に手書きの文字がある。
脚元には謎の扉。
次は工場の中だ。 ここではパイプで鉄塔をかこんでみた。
この鉄塔の送電線は複雑だった。分岐点をみつけようと、立ち入り禁止の寸前まで入ってみたりした。
下から送電線を見上げて立ちつくすわたしのそばを作業員さんが自転車で通り過ぎて行ったが、ほとんどがラテンな濃ゆいお顔のハンサム青年だった。
実はこの鉄塔、上の左側1回線はつながっておらず、それぞれ別の方向から来ていたのだった。写真でいうと、右からわたしが追いかけてきたのと同じ向きで来て、それはすべて工場の中へおりて行き、左からは別の線が来て工場の中へおりていたのだ。別のところから来た電気が工場内で一緒になる。これがわかるまで見つめていたのだった。ハンサム青年はどう思っただろう。電話に夢中だったから気付いてないか。
さて、次はおもしろい形ですよ。
千鳥町線9
長い髪を頭の後ろではなく耳の横でひとつにまとめた、みたいな形。披露宴によばれたときにしそうな髪形。 片側に寄っているため、鉄骨を組んだ中に碍子があるのがいい。 碍子も、なんかみんなと違うところにいるな自分、と思っていそうだ。
見上げると、意志を持つかのような形をしている。ところどころ赤い。
煙突から煙がでている。千鳥町線10 工場地帯に行ったとき煙突から何かでているとちょっとうれしいのは、ダムに行ったとき偶然放流していたらうれしいのと同じなのだろうか。
ほんとうは煙ではなく、蒸気なのだそうだ。そいういわれてみれば真っ白だもんね。
11番から15番
ここで川崎港が終わる。初めて自分が川崎港にいたことを知った。 千鳥町線11
脚元では線路工事をしていて、作業員さんたちのプロっぽい動作に見とれていたのだけど、上の送電線も変わっていた。
鉄骨の両側に回線があるとき、ほとんどの場合それぞれは独立している。でも千鳥町線11は、鉄骨をまたいで反対側ともつながっているのだった。写真左から来た1回線は、そのまままっすぐと鉄骨をまたいだ反対側との2回線に分かれていたのだった。もっとたくさん見ればよくあることなのかもしれないが、これがわかるのにも時間がかかった。
では、鉄骨をまたいだ反対側の回線は向こうから来ていないはずだ。どうなっているのか。
切れていた。
次は橋を渡った向こう。 セメント工場の建物の向こう側なので近づけないかもしれない。
工場の一部に絵を描くのはいいアイディアだと思う。どうせ描くなら木目とか錆の出た金属とか、ガラスで中が見えてるみたいな絵にしたらどうだろう。何十万年前の海の底の珊瑚とかはどうか。セメントの起源だから。 橋を渡って建物を回り込むとあっさり近づけた。
セメント工場の中の千鳥町線12
千鳥町線13は化学工場の中だった。安全の旗が目を引く。横棒は踏切。
年季の入った感じ。茶色い碍子。
次はアパートの裏。近づけるところを探して入ってみた。 千鳥町線14
バルコニー付き。
撮った場所はこんなところ。ドラム缶と次の鉄塔が見える。
更地はなんだかドラマチック。以前あったものとこれから建てようとするもの。使っていた人も建物も全然違うのだろうな。ここはふわふわする土だった。 千鳥町線15
道路の向かいで変電施設に入る。ここまで。 では、道路を越えよう。
そして最後
変電所の手前で名前が変わる
なのに名前が変わって塩浜東線16
小さな黄色い三角旗がかわいい。
この塩浜東線16はどうみても3回線しかない。 変電施設も3回線だ。
ひとつ前の千鳥町線15をみると、
切れていた。 道路を越えるところの写真でも3回線なのがはっきりわかる。
悩ましいものが多い、千鳥町線であった。 塩浜東線16に近づいて終了。
となりには塩浜南線がいた。 贅沢にも碍子5本使いの直角曲げタイプ。この線もいつか行ってみよう。
この交差点を撮ったとき、どこかの工場からサイレンが聞こえた。昼休みの終わり、午後1時だった。
千鳥町線14、15、塩浜東線16、塩浜南線1、のそろい踏み。
近くには搬入口。
おまけ
この芸人さんとは友達になれそう。