鉄塔ハイキング9 白石線と発電所

鉄塔ハイキング9

白石線と発電所

2011年3月5日に歩いた記録です。2020年8月、一部改変して再掲します。

今年に入って八丁畷で降りるのはすでに3回目。
古い家と新しい家が並び建って混沌としてる。好きなんだ、こういうの。

山本食堂の前を通ったら、中にはおじさんがたくさん集まっているらしく、大きな話し声や笑い声がして、とても盛り上がっているようだった。機嫌のいい人がたくさんいる街なんだ。ますますいいな。
  
まずは、川崎変電所へ。

川崎変電所

線路沿いの白石線2を左に見て踏切を渡ると川崎変電所。
これが白石線の発端。左は0、右は1ってことになるのかな。
では、来た道を戻ろう。
最近気になる、トタンのパッチワークを発見。


線路沿いの白石線2。奥の煙突はゴミ処理場。

貨物だ!

実はこの後何回も貨物列車をみた。最後までどきどきした。貨物が来ると見なきゃって気になるのはどうしてだろう。

白石線3ファンに褒められる

バス通りをはずれて、人家の裏へいくと白石線3。足元には鉢植えがたくさんならべてあり、おじいさんが手入れをしている最中だった。
白くて大きくて威風堂々だ。

すると「そうそうその角度から撮るといいんだよね!」と声をかけられた。植木を手入れしていたおじいさんだった。「いいよねー、これ。この鉄塔はかっこいいんだ!撮ったらどこかへ出してみなよ!」とものすごくうれしそうだ。こんなに喜んでくれた人は初めてでわたしもうれしくなった。「昔はさ、あっこに大きな桜の木があったんだ。みごとなのがあった。切っちゃったけどね。いやー、でもこの鉄塔を撮るのはいいよ!がんばってね!」と言ってくれた。
うれしいから、もう1枚。

鉄塔がすくっとまっすぐで出っ張りがなく、碍子が鉄塔に対して垂直になっていて、シンプルで力強い。おじいさんがほめるだけある。

海に向かう

踏切を渡って、海のほうへ行く。ここからは、3回目にして初めてのエリアである。
白石線4は南武線(鉄道)高架のすぐ横にあった。3と4のつながり。この2本のあいだには京急が走っている。

個性的な脇役たち


高架をくぐり、第一京浜の向こうに白石線5。
今回は坂がないので、ずっと向こうまで見渡せる。左隣の変わった形のは、東川崎線。白石線5の足元は自動車整備工場だった。昔から自動車整備工の人には敬意を抱いている。機械が直せるってすごい。

しばらく南武線沿いを歩く。周りは住宅地だったり、廃棄物集積場だったり、ここもいろいろ混ざっている。

白石線6の近くには変電所があった。梅も咲いていた。いいね。

いまから歩いていく道はこんな感じ。とても狭いが前から車が来たりする。どこであれ、いったん自分が歩くとその道はもう「知ってる」ところ。知ってるところが増えていくのは楽しい。


白石線7。隣の小さな(といっても十分大きいが)ものは線路の上を跨いで立っているが、碍子がついてて、鉄道の設備というより送電設備のように見える。

近くでよく見てみたら、見たことあるタイプの、字がたくさん書かれたプレートがついていた。川発線だった。JRの送電線だ。


駅の向こうに白石線8。一部分だけ見せます。全体は想像してください。

貨物、来た!

線路沿いには木が植えてある。散歩中のおばあさんに人気なのはやはり、梅だった。立ち止まってずっと眺めている方がいた。


道が少し線路から離れる。白石線9の足元と頭。離れると頭の部分がよく見える。

踏切の中から。線路左手に今まで見てきた鉄塔が続いている。

今回は坂がまったくない。だから階段もない。あってもこんなにかわいい。


住宅街の道は狭い。わざと道に迷ってぶらぶら歩く。
予定とは違うところから白石線10に近づいた。碍子の根元ひとつひとつに踏み台みたいなものがついている。寄ってみた。何をするところなのだろう。

三角形に遭遇


三角形が突然現れた。バスを待つ人はどのように並ぶのだろう。三角形の辺に沿って三角形の列をつくるのだろうか。
三角形の土地っておもしろい。環状二号にいい感じの三角形の土地がある。他の道路との合流点にある、ものすごく中途半端な三角形の土地。道路にもなれず、ただ余ったという感じの、ガードレールで囲まれた三角形の土地。街の三角州。探してみたい。

そんなことを考えていると、三角形の家が現れた。三角形びよりだ。

これも気になる。ふつうの車じゃない。


なんだか時空のねじれみたいなものを微量に感じながら、白石線11。
足元は個人植物園だった。ありとあらゆる鉢植えが縦にも横にも並べられていた。その一角をご紹介。


線路沿いをまた離れて小学校を迂回する。校庭の向こうに12が見えている。少年野球が練習していたのだけど、少年野球のコーチのおやじが怒鳴りまくっていた。怒号を浴びせると野球って上手くなるのかしら。不思議。
話がそれた。白石線12。入り組んでる。碍子がベテランといった風情。

出ました、黄色いのぼり。今回はここだけだった。

ベスト賞でました

次の白石線13は、送電線ぐっと曲げる型。今回いちばん好きなのはこれだ。順位はつけたくないが、気に入ってる。鉄骨の組み方が迷路みたいで、目で追うと毎回ちがうところにたどりつく。機能重視の美しさ。木の枝の無秩序な美しさの対極にある。どっちもいい。

撮ってたら貨物が!どきどきする。


さて、次は金網の向こうだ。金網の中には電柱がゴロゴロしている。ここは電柱を保管するところ。地震で電柱が壊れてもすぐに電気が復帰できるように準備をしてるなんて知らなかった。こんなことまで想定して、準備をしてるのか。インフラは造るだけでなく、維持するものなんだ。

名前がいい。単刀直入。


白石線14は赤白。

羽ばたき鉄塔

そして首都高をくぐりつつ産業道路を渡り、いよいよ鶴見線エリアに入る。結局、見ただけで乗らなかったけど。乗りたくても電車は来なかった。
ちょうど首都高で隠れている部分に特徴があるのが、白石線15。

工場団地の入り口によくある看板の集合体。雑居ビルの入り口にはスナックの名前が似たような感じでずらっと並んでたりする。いずれも、人を吸収する力のある場所だ。それぞれ惹かれるほうへ行けばよい。

白石線15の特徴とは。太陽の塔みたいな、羽みたいな、出っ張りだ。碍子はもっと内側についているからそんなに出っ張らなくてもよかったんじゃないか。それに角度もそれぞれ違う。羽ばたきたいのかな。

羽ばたき鉄塔、かなりいい!

次も同じ敷地内にあった。タンクローリーの駐車場なのだが、すべての車に「毒」のプレートがついていた。画面中央の高いのが、白石線16。その他は塩浜南線。
白石線16は左右で碍子の付き方が違う。ベランダ(と勝手にきめつけている)部分もちゃんと塗り分けされてる。

水酸化ナトリウムのタンクに写る、羽ばたき鉄塔。


生活のにおいがまったくしなくなった。工場地帯だ。
JFEの工場の中に、白石線17。

これで赤白4連続。あとで、これがまとめて見られる場所にたどりつく。

この建物、好きだな。この下を鶴見線は走る。左が武蔵白石方面だ。


実は次も赤白なんだ。5連続。めでたい。白石線18。角を曲がって変電所へ向かう。

変電所に到着

大きく写っている2本のうち白石線は左。電線が地面に向かっている。もう、変電所なのだ。
ところで、右の鉄塔は右から引っ張られてるみたいな形。これのほうが安定するってどうやったら計算できたんだろう。これは昭電川崎線。右に引っ張っていたのは昭電の変電所だった。変電所にはソーダ課と書いてあった。苛性ソーダをつくる電気分解の電力を供給してるのかな。

続いて、東京電力の変電所に着いた。この中の2本で白石線は終わりである。0からだとすると、全21本だった。この電気で工場をガンガン動かしてください。

ファイナル鉄塔。奥にあるから、遠くから金網越しに見た。たくさんいる小さいのは、塩浜南線や昭電川崎線。

鶴見線大川駅

これで終わりではなく、先日、尻手から大船までついていったJRの送電線の大元と思われる火力発電所を見にいく。
まず、対岸から眺めるために、今いる埋め立て地を海へ向かって歩いて行く。白石線のファイナル鉄塔の向こう側に行くことになる。鶴見線の大川駅方面。
来た道をいったん戻って2回曲がって、今の道と平行する道路へ向かう。そこには線路があり、それを跨ぐ鉄塔が連なっている。さっきからちょくちょく姿を見せる塩浜南線だ。鉄道の施設ではなく、電力の施設である。

踏切にて。このとき午後1時頃だが、次に遮断機が下りるのは5時間後だ。そしてそれが終電。

ファイナル鉄塔を横から見たところ。もっと先に行きますよ。

大川駅に着きました。駅はどこか?右上にある、古いバス停かなとおもってしまうような木造の建物。すごいさりげなさ、という矛盾した表現しかでてこない。

今まで鉄道の一部のように続いてきた鉄塔は、ここで魔法が解けたように普通の鉄塔に戻った。2本の鉄塔の間の線路は鉄塔のすぐ下で封鎖されていた。

工場をチラ見

工場と鉄塔に萌えてみますか。ちらりと。

こんな鉄塔があった。このプレートの書きかたはJRそっくり。でも昭電のものだ。だから「のぼるのはやめましょう」プレートも絵は同じだが、新幹線が書いてなかった。

JR東日本川崎発電所

工場の間を抜けて海へ出ると、見えた。JR東日本川崎発電所。稼働中!山手線も東海道線もここから来てるんだよ。たぶんだけど。重油のタンクが4つもある。

赤白4本組はここから見えた。堤防には必ず釣り人あり。

では、発電所の入り口まで行くこととしよう。
首都高と産業道路まで戻って、埋め立て地1個分移動して隣の島に移り、同じくらいの距離歩けば着くはず。電車はさっき見た通り来ないから、歩く。バスもあったけど楽しいから歩いた。
島から島へわたっているところ。

浜川崎の駅を過ぎて、

橋を渡る。今回唯一といっていい坂道。

こんなところを過ぎて

いちばん奥にあった。

発電所内の鉄塔を探してみると、送電線が地中から出てきてるところを見てしまった。

地下はどうなってるんだろうな〜。

では次の鉄塔はどうなっているか。
踏切の近くにいた。川発線5号。川発って川崎変電所のことだ。南武線沿いを歩いている時は思いつかなかった。そのときも川発線20号を見てたのに。
ここからかなり遠いのに20号ってことは枝番が間にたくさん入っているのだろう。

この踏切から、発電所内の鉄塔が見えた。さっきの地下からでてくるあれ。近くにはセメントの貨車が停まっていた。

発電所も見たし、扇町駅へ行ってみる。
想像していた以上に小さかった。改札の中では猫さまがお昼寝してらっしゃった。

電車はあと1時間以上来ない。バスにした。
胸にポチッと小さく一カ所だけ白いところのある黒猫が来たので、写真に撮ろうとしたら一瞥をくれて去ってしまった。犬には吠えられ、猫には去られ、わたしにフレンドリーなのはおじいさんだけだ。

工場の煙

やたら煙ばかり撮っていた。

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