鉄塔ハイキング15 相模湖線のもやもや

鉄塔ハイキング15

相模湖線のもやもや

2011年11月に歩いた記録を、2020年8月、一部改編して再掲。

どこか初めての場所へ行くとき、鉄塔をからめようと企む。
今回の目的地は相模湖交流センターで開催されているダムマニア展。
地図によると、敷地内に鉄塔がある。しかもそれは近くにある発電所から出てるようだ。
さらにたどっていくと、山の中でふっつり終わっている。そこに変電所はないと思う。気になる。
ならば、その山からたどり始めて最後に相模湖に着くようにしよう。

ということで、橋本からバスに乗った。


1回目のアタックとダムマニア展

終点の三ヶ木で下車。
バスターミナルになっていて、相模湖駅行きのバスが出ているが乗らず、歩く。
めざすは、鉄塔が3本並んでふっつり終わっている、あの山である。

もうここは津久井郡とは呼ばれない。
緑区だ。相模原市。

津とか井とか、水に関する字がこのあたりの地形を表している。

変電所があったので寄ってみた。
八ッ沢線、久しぶりー。
鉄塔ハイキング11以来。

変電所はたいへん見通しの良いところであった。

道志橋を渡ると目の前におおおおきな鉄塔とちっっっさな鉄塔が見えてきた。

鉄塔の脚元にいくため、国道を外れて農道を上っていく。
大きな鉄塔は新多摩線53。4導体は迫力があるね。

小さなほうは八ツ沢線。

耕作地帯を抜け、さらに上ったと思ったら下って、汗だくになった。
三叉路があり、右に行くと国道に戻るのだが、地図によるとおもしろそうな細い道があったので左に行った。
それがここ。いくらなんでも車は走れないだろう、ここは。入り口には車止めがあった。

朴葉がたくさん落ちていた。

小さな橋を渡るとふたたび畑が現れた。
そこに、役目を終えた鉄塔がぽつんと立っていた。
鉄塔の名称を示すものは何一つ残っていなかった。

そして、また上る。
谷を跨ぐ橋が架かっていない以上、いちいち山を上り下りして進んでいくわけだ。

そこはまた畑になっている。日当りが良くて、のんびりしたくなる。

道のどまん中で猫がのんびりしている。


猫から顔を上げると鉄塔があった。
都留線久しぶりー。
またもや鉄ハイ11以来の再会。

集落のいちばん端の橋が思いがけずきれいだった。
右手の大きな杉の木の根元には古い道しるべが残っていた。

かわいい猫さん。おすまし。

猫の近くの都留線は変わった形。電線が上下から碍子で固定されている。
山の陰だし特に風が強く吹くようには見えないが、何かあるのだろう。なんだろう。

いよいよ山のふもとにきた。
なるほど遊歩道になっているのか。安心だ。

そしたら、がーん。上れない…。

柵の内側にもさきほどの道しるべがあり、少し前までは歩くことができたようだった。台風の影響か?小心者なのであっさりあきらめ、反対側から上ることにした。
国道へ戻る。その途中にあった、古い農家。立派な門構え。

熟年ハイカーがたくさん歩いていた。

ここには、役目を終え自然に還りつつある鉄塔がいた。

ご苦労様でした。ありがとう。

関所跡のあたりで国道をはずれ、山のほうへ。
その途中にあった、これ以上簡素なものはないだろうというくらい簡素な100均一かつ大根均一なお店。そぎ落としきった感じが最高。

さていよいよ本命の相模湖線のおそばに。
相模湖線8。計画ではこれが最初ではないのだが、林道封鎖のため、こうなった。

じゃ、山へ入りますかな。
ここにも遊歩道の道しるべがあったが、人の通った形跡はなかった。
斜面で相模湖線と八ツ沢線が交差する。八ツ沢線の高度を下げるため、ひとつ前の鉄塔では縦に並んでいた電線が左右に分かれ、それぞれ横並びに並べ替えられ、別々の2つの鉄塔で次へ受け渡す。次の鉄塔でまた1本の鉄塔に戻り、電線も縦に並び直す。
電線はかなり低いところを走っていた。4メートルくらいではないか。高さの表示を探したが見つからなかった。ものすごくフレンドリーな感じのする鉄塔だった。

次の鉄塔で1本に戻るところ。右が43甲、左が43乙と表示されていた。

フレンドリー鉄塔の奥にちらりと見えていたのが、相模湖線9。

柵がないので、結界を見ることができる。

気になる鉄塔消失ポイントはもっと奥。
周りの景色はこうなった。

静寂を感じさせる風景であるが、国道の向かいにある相模湖プレジャーフォレストからアトラクションか何かの順番待ちの放送が絶え間なく聞こえてくるのだった。

先ほどの相模湖線9は左右に分かれ、2本の鉄塔へ受け継がれることはわかった。
送電線が鉄塔から離れるにつれ、左右にも離れていくことがこの写真からおわかりだろうか。

さて問題は次である。
先ほどの林道が通行できるならばその林道の道端にあるはず。
しかし、反対側からはここまでが限界だった。

地図には3本とあるが、2本しか見えない。
相模湖線9を背にすると後ろから前へ相模湖線が走っているが、左から右へも走っている。どうやらこれと合流しているらしいことは分かる。左から右への線は都留線である。
こんなひと気のない雑木林の中でひとり思案してもわからない。もやもや。

もうちょっと先へ行けば何か分かるかと思ったが、さっきから右のほうでガサガサと音がしていて、やや怖い。退避。
その前に気付いた。音のするほうに、かなり自然に還った鉄塔があったのだ。暖かそうだ。よかった。

使われなくなった鉄塔だけに草が生えているということは、使われている鉄塔は除草をしているということだ。山の斜面や頂にも草刈りに来るのだ。ご苦労がしのばれる。

目的を半分達成したところで、次へ行こう。
いったん相模湖線8まで戻る。そこから次の3本である、相模湖線7、6、5が見えた。
紅葉に溶け込んでいる。遠くに中央高速が見えてきた。

相模湖線5はここでしか見えなかった。近づくこともできなかった。

山を下っていく。
まずい、太陽が山の向こうに隠れてしまった。

汗もすっかりひくくらい気温が下がってきた。急がねば。

国道の左に相模湖線7。

国道を跨いで右へ。相模湖線6。

5と4は国道から見えなかった。
景色はすっかり湖畔になった。
相模湖大橋の手前で、右手に相模湖線3。

対岸に相模湖線2と交流センター。

洞門を抜け、橋を渡る。

そして、相模湖線2の脚元に。
まっすぐ前から見るとひとつに見えた碍子は2つだった。

さっそく会場へといきたいが、あとひとつ残っている。
どうみても学校の敷地内にある、相模湖線1。やはり1番鉄塔はいいな。
どこまで近づけるだろうか。

結局、プールの金網越しとなった。
鉄骨のジョイント部分の補強がいい感じだ。

ここから、振り返ると、相模湖線2、3、4が見えた。4は赤白のすぐ後ろ。奥に小さく見える白い鉄塔ではない。赤白のすぐ後ろに控え目に立っている、錆びた鉄骨に白い碍子の鉄塔だ。

では。おじゃまします。

入り口に掲げてあった、来場者にむけた挨拶文がとてもよかった。おもいがこもっていた。初めて見た時の衝撃を新鮮なまま持ち続けておられるのだなあ。ここに来る人は多かれ少なかれみんなそうかもしれない。
ダム建設の映像がとてもよかった。妙な抑揚などない、まっとうな格調高い日本語のナレーション。久米明さんの声ではないだろうか。超巨大建造物は国の進歩であるという確固たる信念。それに携わることのできた誇り。平成のこの世なら、どこからも文句をつけられないようにと、主張もなくあいまいで記憶にも残らないつまらないナレーションになるだろう。
日本画も良かった。作者が1991年生まれというのが衝撃だった。1991年なんてついこの間ではないか。ついこないだうまれた赤ちゃんがこのすばらしい作品を描くようになるまでの間、わたし、何してたんだろう…。何を…。ううむ。そんなことを思いつつ絵はがきを買った。

帰りは歩かず、中央線そして横浜線で帰った。
八王子始発に座れたので、問題の山の中の鉄塔写真を拡大してみていた。
そして、分かった。
左右に分かれた送電線の左側(相模湖線9を背にして)はいちばん左の鉄塔からすぐ右(正確には真ん中)で都留線と合流する。電気って合流できるのか。右は、真ん中の鉄塔をいったん越えて(見えないが)いちばん右奥の鉄塔で折り返し、真ん中の鉄塔で都留線と合流する。行く先は橋本変電所だ。
どうやらこうなっているらしい。
左からの電線を青、右からを赤、都留線を緑とした。合流点を◯で囲んだ。

あとはあの柵を越えるか、林道が一般に開放されるまで待つかすれば、確認できる。
その日を楽しみに。

2回目のアタックは成功

前回、近くまで行きながら脚元へはたどり着けなかった鉄塔に関してコメントを頂いた。
時間がないのとガサガサ音が怖いのとで戻ってきた道をそのまま行けば脚元へたどりつき、電線の配置もわかるとのこと。
では、行ってみる。
今回は車で向かった。
 


お昼近くにR16を走るなど、わざわざ渋滞の一部になりに行くようなものだが、しかたない。
予想以上にたくさん車がいて、渋滞という名の修行のようだった。交差点直前であわてて車線変更するのがいる。車がマンガみたいに冷や汗かいてるようにみえた。
だからなのか、帰りも含めて5件の事故を見た。ぐにゃぐにゃ、べこべこ。柔らかな車たち。

橋本線が化粧直し中だった。

目的の山のちょっと、とはいえないくらい手前のホームセンターの駐車場に停め、国道をずんずん歩く。
途中、お寺があったのでのぞいてみた。
階段の両脇は墓碑ではなく句碑である。

ここは、俳諧浄土を唱えているお寺のようで、境内にもほんとうにたくさん句碑がある。林立していた。碑のすき間を歩く、というと大げさか。
本堂でふと右を見る。ロックオン。近づきます。

人慣れしているというより、すっかりできあがってるから動きたくないという感じ。
誰かに似てる。

では、ここで一句。
「日向ぼこ 心は別の 山にあり」  
なんてな。
急ごう。

100均は、今日もいさぎよかった。柚子が大きい。あのひと袋が100エンなんて、すごい。

戻ってくるつもりだったから買わなかった。買えばよかった。

前回も撮った、相模湖線の6、5、4。
今回はカメラの色調をvividにしてみた。
実際よりはややわざとらしくなった感じ。

舗装道路を通っても行けるが、前回と同じく低い鉄塔のある道を行く。

こんなふうに2つに分かれて,並び方を縦から横へ変えて、

次へ受け渡す。

相模湖線9を過ぎれば,あの山だ。
積もった落ち葉が濡れていて滑りそう。
午後2時だが、霜は降りたまま。溶けてない。

前回悩んだ場所からぐるっと左にまいて、ちょうど反対側へと上っていく。
道はかなり急だった。
あの明るいあたりにあるのだ。

来た。
軽自動車がいる。先客がいる。

ではおさらい。
相模湖線9の送電線は2つにわかれる。

相模湖線9を背にしたときの左は、相模湖線分−1という。初めて見た「分」の表示。

そして、真ん中へと。真ん中は、都留線196。

さて、前回見えなかった右はどうなっているかというと。
こうなってる。
別にカモフラージュしてるわけではないだろうが、自然に一体化してたいへん見えにくくなっていた。
反対側から見えなかったわけだ。

近づきます。

はい、どーん。

相模湖線分−2。

わたしが変電所以外でこのような形を見たのはここが初めてだ。

さて、先客とは誰か。
鉄塔の脚元の草刈りに来たおじさまたちだった。
わたしを見て「どこから来たんだ!」と驚いていた。
別に悪いことをしているわけではないので、この鉄塔のちょうど反対側から、と正直に答えるとひとりのおじさまはどの道か分かるようだった。どうやらわたしが上ってきた道は鉄塔道と呼ばれているらしい。元と同じ道へ戻るには左に曲がるのだが、そこで右に曲がったらどうなるか尋ねてみた。
すると「ああ、そっちのほうがいいかも。楽しいよ。」とのことだった。
でも柵がありますよね?と言うと、あっさり「柵の脇抜ければいいよ。大丈夫だよ?」とのこと。
そう….だった….んですか。
でも先日柵を越えていたら、今日この人たちには会えなかったのだ。うまくできてる。

おじさまたちのおかげで,鉄塔の脚元はこんなにきれいに。

相模湖線分−1の結界も安心して撮れるのだ。

そして、こんな素敵な山道を通って下っていき、

柵の内側に着いた。

よく見れば、人が踏み固めて、柵を抜けるけものみちができていた。

ホームセンターへ戻る。
2時間も停めさせてもらったので、シクラメンを1鉢買った。ピンクの。
このホームセンターの駐車場から見た景色。のどかだ。
新多摩線が連なっている。

このあと温泉に入って、道志ダムの上を通って、渋滞に耐えて、帰宅した。

おまけの皆既月食

これを書いているとき、実は皆既月食の真っ最中だった。 

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