鉄塔ハイキング8
JR新−大線についていく
201年3月1日に歩いた記録です。2020年8月、一部改変して再掲しました。
気温が上がるのを待って出発。
八丁畷へ。今日はのんびり行こう。
出発点は決まっているが、その一帯には鉄塔がたくさんあり、
送電線が錯綜していてどうつながってるかは行ってみなければわからない。
鉄塔ハイキング6その3の途中、戸塚で見かけたJRの送電鉄塔、
新ー大 94号の大元がおそらくここ。
まずそれが正しいかどうか確かめる。
戸塚から地図上の鉄塔をたどるとここには来るのだが、
その間のつながりがどうなってるのかわからない。
だから、歩いてみるのさ。
JRの変電所へ
八丁畷で下りて、JRの変電所へ。
ここは銭湯がある。旅館もある。
(下)看板は旅館だが、入り口はどうみてもラーメン屋だった。ガラガラッと開けるやつ。不思議。いい町だ。
そして着いた。すぐ隣は横須賀線が走っている。周りは整備や機械の工場だ。
中の様子。手前のファンは止って写っているが、実際は勢いよく回っていた。
変電所内には鉄塔がたくさんあるが、外とつながっているのは2本。その2本のうち、スカートをはいたようなボリュームのある鉄塔(右写真のいちばん右)が、目的のそれではないか。下のほうの装備はなんだろう。鉄塔が自分で変電しちゃってるのかな。
錯綜する電線。
線路の向こう側へ行かなければ。橋を渡るために迂回する。橋からの眺め。
橋向うも工場だった。
工場の通りに古い電信柱が残っていた。
運送会社の上を電線が横切っていて、トラックの荷台の上げ下ろしの際ひっかけないように、目一杯印がついていた。この鉄塔は市場線。
新ー大1号を見つける
ボリューム鉄塔が線路の向こうに見えた。
つながっているのはこれ。文字プレートには、頭上、もあると知る。
どうしても足元が見えなくて、新ー大線なのかわからない。しかたないから、次へ行って確かめることにした。
次も工場の中にあり、足元が見えない。じらすねえ。
今度は川の向こう。橋を渡る。
マンションのど真ん中にありそうなので、建物をぐるっとほぼ一周すると、駐車場に見つけた。プレートは新ー大4号だ。
ここにくるまで、ボリューム鉄塔、そしてじらし鉄塔が2本だから、これが4本目。
つまり、ボリューム鉄塔が新ー大1号だったのだ。当たり。
JR鉄塔の特徴
5号6号まとめて。どちらも住宅に囲まれていた。
この辺にお住まいの方達は、鉄塔についてるプレートというものは小さい字でたくさんいろいろ書いてあるものだと思っているかもしれないな。名前と番号しか書いてないプレートもあるんですよ!わたしいっぱい見ました。
頭上注意や送電線注意と行った注意書きが必ずどの鉄塔にもついている。小振り。胴体に当たる部分が細い。
これがJR鉄塔にいまのところ共通する特徴。
末吉不動と書いた山門があった。次の鉄塔は山の上。お寺はこの山の斜面にある。あれがいそう。入ってみる。
はい、いましたー。寛政三年のもの。邪鬼を踏んでいる。痛そうだ。
階段も美しい。赤い山門もきれい。真福寺。本尊のお不動さんの下からは水が湧いているそうで、それが手水になっていた。本堂は明日から11月まで改修工事なのだそうだ。ウォーキングの人が何人も通り過ぎていった。
次はお寺より高いところにいる。
ここはショートカットのためのあれがあるはずだ。はい、あったー。
地図なしで来てるから、うれしさもひとしお。
新ー大7号は普通のお宅の庭に。
さっきから勝手な名前ばかりつけているが、新ー大8号はクリスマスツリー型だ。しかも、いちばん下は裏と表で碍子の付いている位置が違うちぐはぐ型。
さあて、次は。むこううううにある、あれ。
どうやって下りたものか。
新ー大9号は公園の中。鉄塔の足元ではラグビーをやっていた。チームが声を掛け合っていたが、「山ちゃん、ボールそっちじゃない」とか「今のはいいよ、山ちゃん」「山ちゃん、そうじゃないから」となぜか山ちゃんに指示や激励が集中していた。がんばれ、山ちゃん。
字がついてないものが初登場だ。
アクセス難度が高い
ここは三ツ池公園というところ。
こんな看板があったら行ってみますよね。行きましょう、売店に。
池には鳥がたくさん。
これが売店。肉まんをひとつください。
さて、次の新ー大10号には近づけず。
その接近の模様はこのとおり。
地図では右下からかなり近づいてるように見えるが、木々に視界を阻まれ、鉄塔に気付きもしないで撤退していたのだった。帰ってからトレースしてこんなに近くに来ていたことを知った。
撮れた写真はこれ。
新ー大11号から17号
新ー大11号はスキー練習場の側に。この大きな箱の中だけ雪が積もっているなんて、おもしろいな。
環状2号にでた。でかいトランクとごろごろした石。殺風景。いかにも幹線道路沿いという感じ。
次の新ー大12号が見えてきた。上と下がものすごくアンバランスだ。下がみょうに広がっている。その分安定感はある。アンバランスな安定感。矛盾。
ここもマンションの中だった。住んでます、という顔で入って行く。
次も山の上。近づけなさそう。
左折すれば右手に山、という地点で不思議なものを発見した。奥から、電柱、カーブミラー、そして何?煙突なら下に燃えるものがあるはず。地面から生えてる。
答えはこれ。重要な物だ。
この辺りは鶴見川の河口に近く、氾濫したら何メートルまで水が来ます、という看板がたくさんかけてある。あふれてきた水をすぐに下水に流すような設備がどこかにあるのだろう。
左折した。右手に山。あ、あの青い屋根は。
中には、寛保四年の庚申塚。邪鬼踏んでる。
向いの神社も覗いてみた。
こちらからは近づけないので、左回りに迂回して反対側に出ることにした。
すると、今度は風呂屋。その向こうは工場地帯。時代もなにもごっちゃになっていて、いい町だ。
風呂屋を背中にするように振り返れば、新ー大13号がみえた。
工場地帯に入って行く。なんとか特殊鋼とか、金属系の工場が並び、酸っぱい匂いがする。メッキしてるのかな。
新ー大14号。まわりには子安線や他の系統が。いちばん手前のが14号。
新ー大15号は、周りの柵が錆びてて渋かった。
まわりはこんな感じ。缶コーヒーを持った男たちが似合いそうな土地柄。実際にはタガログ語で話す女性たちが歩いていたけど。それもありだ。
工場地帯をぬけるとショピングセンターがあり、その駐車場の中に、新ー大16号。
ここまでに通ってきた鉄塔を一望できた。
次は、かわいいよ。
真ん中のちいさいやつが、新ー大17号。天気が崩れそうなのでここで切り上げることにした。
近くで見ても小さかった。
17号(ちび)がいちばん手前。16号がちぐはぐ型だということが、今見て、わかった。あとで分かるが、本当は17号ではない。
17号から富士山を見ながら26号まで
次は山の中の18号。行けるのかなあと思ったら、すぐ横に階段があって、それを伝って近づくことができる上、簡単に山の向こうに行けるようだ。次が楽しみ。
バスで綱島駅へ。バス停に庚申塚。
綱島駅すぐ横の可愛い看板。シャッターの真ん中の張り紙には悲しいことが書いてありそうで、読まなかった。
バス停から最初の鉄塔までにいきなり迷った。迷ったおかげで庚申塚発見。
ついでに奥の神社もみてみたら、斬新な方式を発見。お社が賽銭箱。
なんとか地図や看板で方向を修正し、山に近づいた。この屋敷の裏山に3本ある。茅葺き屋根の屋敷は往時をしのぶ記念館として保存されている。
最初の鉄塔へ。新ー大17号。前回最後の小さいのは16-1号だったようだ。枝番がつくのがJR流のようだ。後でわかる。
雪が残っている。市民の森の遊歩道を行くとすぐ横に。新ー大18号。文字プレートはないが、あいかわらず華奢で高さもあまりない。
前が開けてきて、森が終わる。その境界付近に新ー大19号。
次はあれなんだが、見上げながら道は下って行く。住宅街に入って再び上ってもなかなか近づけない。住宅街の外れに公園の入り口がありそこから入って行ってやっと足元に来た。でも木が茂っていて全体は把握できなかった。近すぎると見えない。こういうこと、他のことでもありそう。
光のほうへ歩いていこう。こういう場面は好きだな。
公園は高いところにある。次の鉄塔はいい背景を持っていた。冬の空気は澄んでいた。
でも近づけなかった。だから、ほんとうに21号かは確認していない。ここらの住人しか通らないような狭い道を通って次へ行く。
次も富士山をバックに。足元には神社。福にありつけそう。でも、カメラがレンズを認識しなくなり、突然画面が真っ暗になった。すぐ直ったけど。
福々しい新ー大22号を左手に通り過ぎて、次は公園の中にあった。上のほうが細身でキュッとしている。この細さは最初からずっと共通している。色もずっと地味だ。頭のてっぺんに数字が書いてない。なんか、おくゆかしい。もっというと、昭和臭がする。
水道局があった。ウォータープラザと名乗っている。建物は休みだが、敷地には入れた。もと水道管でできたベンチや戦前の水道の共用栓を見ることができた。昔は家に水道をひいておらず、外にある共用栓まで汲みにきていたそうだ。自動販売機が水しか売ってなかったらおもしろいな、と思ったがジュースも売っていた。
さて、新ー大24号。久しぶりに文字プレートだ。ところで誰に向かって注意してるのかな。
次は線路の向こう。
跨線橋を渡る。東急東横線を越える。菊名の駅はだいぶ低いところにあって、駅へ入る電車が芋虫みたいだった。
おばあさんがいつのまにか横へ来て「寒いのにえらいですね」と話しかけてきた。遠くから写真撮りに来たの?と聞くので、近くですよと答えた。すると、遠くからなら家にでも寄ってもらってお茶でも飲んでもらおうかと思ったの、とおっしゃった。写真ってお金かかるでしょう?主人がいたころは、撮っては現像へ出してたから結構かかったんですよー、と続けた。今はパソコンで見るからそうでもないですよというと、まあっ!と驚いていた。一眼レフということを意味しているのだと思うが、キャノンカメラとおっしゃっていたので、ご主人はキャノンのカメラをお使いだったのかなと思った。おじゃましちゃったですね、ごきげんよう、と挨拶なさって離れていかれた。写真撮ってるのが懐かしかったんだな。
次の新ー大25号は、これも久しぶりの「俺んち」状態だった。庭としかいいようのない状態。植木鉢持ってどうやって柵をのりこえたのだろうか。
次は自動車学校の中。自動車練習の目標物化している。次の次の番号からすると、これはたぶん新ー大25-1号ということになる。
自動車学校の向かいに、すごいのがいた。横浜火力北線35。大きくて複雑な形。いいねえ。ちょうど新幹線が通った。
新幹線を背にして自動車学校を見ると、ここまでに通った鉄塔がまとめて見えた。
次の新ー大26号は、レンズがずれちゃったのではなく、この角度からだと字がわずかにずれて重なってしまったのだ。近くに寄るためには大きなマンション2棟のまわりを迂回してほぼ1周した。文字プレートをよく見てみた。
27号から28号は新幹線の周りに
次にいくには新幹線の高架下を通る。通り過ぎる新幹線を撮ろうと思って待ったが、防音壁で見えなかった。右の写真は高架の真下。独特の雰囲気だ。無機質だけど空気が濃い。これを撮ったまさにその時新幹線が通過したのだが、思ったより音が小さく通過時間もあっという間だった。車両と同じように、防音の技術も研究されているんだと思った。
新幹線の線路の向こうからとこっちからの新ー大27号。資材やトラックに囲まれて、ハードボイルド。
次とその次は近づけなかった。番号のつなぎからみると新ー大28号と新ー大28-1号ということになる。
まず28号。やっぱり華奢で地味な印象は続く。
広い道路に車が増え、新横浜に近づいたことがわかる。でもこの畑&円筒形ビルの組み合わせがわたしの新横浜のイメージをすべて物語る。のぞみが全部停まっても、駅ビルが空港みたいになっても、すぐそこは畑。そばにはプリンスホテル。これがわたしの新横浜だ。
そんな中の新ー大28-1(たぶん)号。ちょっと形が違う。三角のすっきりした物が続く中、異色の存在。でも地味。細いから控えめに見えるのだろう。
29号が気に入った
次の新ー大29号は、よかった! 今シリーズは地味だなーと思いながら歩いていて、これを見た時の衝撃。かっこいい。近代的なビルのオブジェみたいではないか。色も塗り替えられ、真っ白だ。
ビルの手前は公園になっている。遊具はなく砂のグラウンドのみのシンプルな公園。親子連れがサッカーの練習をしていた。
ビルに写る鉄塔。これがまたいい。これをみるだけのためにまた新横浜に来てもいい。
さらに、送電線を90°曲げているのが、いいんだ。
新ー大の、大が大船であることがわかった。昭和47年からここにいるのか。後ろのビルよりもずっと前からここにいるんだろうな。
実像と虚像。
30号から36号までは川沿いをゆく
がくんと曲がって送電線は道路を離れ、川へ向かう。新ー大30号は緑のスカートをはいていた。
新ー大31号の向こうは鶴見川である。鉄塔は木々に囲まれ始めた。
桜のつぼみはまだこれくらい。
川べりの遊歩道と川を横切る幹線道路の交差点に何回か行き当たった。新ー大32号そして、33号。
幹線道路の下を遊歩道がくぐるようになっていて、その出口にあるカーブミラーと。
謎の建物のすき間から見えているのは新ー大34号ではなく、横浜火力北線。
謎の建物にはドアがあり、通気口かなにかと思われる。
大きなサッカースタジアムが近いので、新ー大34号の側には誘導の看板が立っていた。
並んで川べりを進むのは、横浜火力北線。この遊歩道は2種類の鉄塔にはさまれているのだ。新ー大35号。見上げる人はほとんどいない。
交差点をすぎて、次がいた。
鉄塔の影とツーショットしてみた。
枝番のなぞ
番号の書いたプレートも足元に寄れた場合は、ほぼ全部撮っている。これは植木が囲んでて見えにくいのだけど、それもおもしろいかなと撮ってみた。すると、
新ー大35-1号だった。なんだ、のいち、って。ここで初めて枝番に気付いた。
じゃあ次は?
板を渡ってみてみたら、のに、だった。
じゃあ次は?画面の中央のへんな形の。魔女の帽子型。同じ仲間じゃないな。
と思ったら、のさん、だった。
専門家にはおなじくくりに見えるのか。素人はサッパリわかんない。
目の前に横浜線の線路。ガードをくぐる。こんなに狭くて、直角に曲がってガードに入るのに一方通行になっておらず、先に入った人から通ることになっているみたいだった。
新ー大35-3号。くくりつけてあるバケツみたいなもの、なんだろう。
川べりの最後、新ー大36号。複雑な形をしている。送電線は3本一組だが、こちらから行く2組は鉄塔で高さを変え、低い位置から向こうへ伸びていっているのだった。送電線を曲げるのは見てきたが、高さを変換するのは初めて見た。
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