土讃線は各駅停車で
2011年6月の旅の記録です。
2020年8月、一部改編して再掲しました。
内容は2011年当時の状況を反映しています。
5月、土佐入野へは岡山から土讃線の特急で向かった。
特急は便利だが、出発地と目的地の間はなかったことにしてしまう。
あいだにたくさん駅、あるのに。
ひとつひとつ見たいじゃないか。
ならば、この土讃線を各駅停車にのって高知までいってみよう。
1日目 こんぴらさんと池田ダム
路線の少ない四国の鉄道。
そのほとんどが海か川沿いを走る。
四国山地をぶちぬいて走るのが、土讃線。
途中2回乗り換える。各駅停車は途中までしか行かないから。
1時間待ち合わせれば次の列車に乗れるが、せっかくだし寄り道をしよう。
琴平で2時間半、阿波池田で1時間半の待ち合わせ時間ができるように乗り換えた。
岡山駅7番ホーム。特急が出入りする8番ホームの先端に7番ホームがある。
ほんとうに端っこだ。
8番ホームにはアンパンマン列車(特急)が停まっていて、写真を撮るひとがみんな笑顔になった。
ボックス席のある4両編成の列車に乗る。
中は空いていて、ひとボックスひとりの乗車率。乗り方も自由。
平野をすぎて山を抜ける。
大容量の送電線が山の上に立っている。
児島駅で特急や快速を見送る。まわりは急に海っぽくなった。
すぐに本州は終わり、海上に出た。
ほんとうに立派な橋だ。いつも思う。この海峡に橋を架けるぞと思ってほんとに架けたんだねえ。
対岸は工場地帯。送電線が下りている。工場内の変電施設にいってるとみた。
さて、ここからがほんとうの土讃線。橋の上は瀬戸大橋線という。
ホームの幅がたいへん狭いことと、その狭いホームにつくられた待ち合い室のかわいらしいことが土讃線の魅力だ。待合室の写真をもっと撮ればよかったな。また行こう。
岡山から約1時間半。琴平に着いた。金比羅さんへお参りだ。
駅前通り。奥に見える山が象頭山。
建物で見えないが、左がなだらかな傾斜になっていて、それが象を横から見た形にみえたから、象頭山。
その中腹に神社がある。
トタンの壁。いいねえ。
角のタバコ屋ならぬ床屋。
金陵って金比羅さんのお神酒だったのか。日本酒でつくった梅酒を買いたかった。
なんだかなつかしい空気。
では785段上るぞ。鉄塔を追いかけているうち、街中に急に現れる階段を上ることも好きになってしまったが、その集大成がここにあった。
ほんとうはもっと高くもっと奥にもうひとつお宮があるが、今日は手前の本宮まで。
境内からみた讃岐平野。暑かった。
緑の深いところだった。
いいところだった。何回も来てしまいそうな予感がする。
階段を上ってきたおじさんたちが「こりゃ地下鉄よりきついな」と言っていた。節電してる地域から来たんだなと思った。
では、駅へ戻ろう。次は琴平始発の阿波池田行きだ。
讃岐から阿波へ。1時間ほど。
狭いホームとかわいい待合室。黒川駅では中学生がひとり降りていった。
長いトンネルをいくつも抜けてると川が見えてきた。吉野川だ。
列車も川を渡る。
さて、阿波池田と言えば池田ダム。
去年来た時は雨でよく見えなかったが今回は晴れた。
駅から池田高校の横を抜けて到着。いちばん端のゲートから放流していた。
調べてみると、5月末の台風のすぐあとはこの日の5倍くらいの量を流していたようだ。全部のゲートから出ていたのだろうか。上流の早明浦もかなりの量を放流していたようだ。
流木がぎっしり流れ着いていた。
四国電力のイメージガール
さっきあれだけ階段上ったのにまた階段をのぼる。ダムの大きさを実感する。
駅に戻ろう。駅に併設しているちゃみせというお店は安いし、店員さんがとても感じがよくて、いいところだった。
高知行きに乗る。阿波から土佐へ。3時間の道のり。ドキンちゃんと一緒。
吉野川の渓谷、大歩危小歩危を眼下に見下ろしながら進んでいく。
いいでしょう?この待ち合い室。屋根付きベンチといったほうがいいかもしれないが、待つ人が雨にぬれないように、日差しがまぶしくないように、ってつくったのだと思うとますます良い。
豊永駅で待ち合わせ。なんと26分停車。では駅を探訪しよう。
待っている列車はこんな感じで停車中。
同じ線路を上りの特急と下りの特急が順番に駆け抜けていった。
ホームからいきなり道路(R33)に出られる。道路とホームを繋ぐ階段。
やっと出発。進むにつれ、川は右に左に流れを変える。山と川のわずかなすき間に線路がしかれている。きれいな水の川を渡るなあ、鉄橋の音がごおっと聞こえたなあと思った直後、7分停車のアナウンス。
この駅、川の上だ。土佐北川駅。
渡るための鉄橋でもあり、停まるための鉄橋でもある。
ホームから見えるのは広告ではなく、渓谷。穴内川だ。大きな岩がごろごろしていた。
角茂谷駅、繁藤駅と停車していったところで、何の予告もなくスイッチバックして新改駅に停車。
あまりのことにびっくりして写真もとらずに、列車が前進したり後退したりするのをあぜんと見ていた。
新改駅で写真がとれなかったことと、坪尻駅に停まれなかったことが心残りのため、予定を変更して上りでリベンジしてみることにした。
2日目 新改駅と坪尻駅とことちゃん
高知発5:27の阿波池田行き各駅停車。
2両編成で、意外に人が乗ってくる。
土佐山田まで来ると乗客はわたしひとりだった。
運転手さんと車掌さんが乗っているので、客のほうが少ない。
土佐山田の次はいよいよ新改。20分停車する。
トンネルをいくつも抜け、高度もすこしずつ増していく。
さて来ました。右の線路が岡山方面。左奥に新改駅がある。まず左へ入る。
20分停車。この間、本線を特急が通過する。
各駅停車の乗客は駅の周りをうろうろする。
さて出発。まず、列車はバックして、駅ホームの端まで来る。
運転手さんが前へ移動して、進む方向は同じだが今度は前進することになり、前進で左の線路に入る。
また運転手さんは反対側に移動して、進行方向もまったく逆になり、岡山方面の線路に入って次の駅を目指す。
線路の写真ばかりになってしまった。地味だが、実際乗って見るととてもおもしろい。
待合室シリーズ。
待合室3つめは箸蔵駅。坪尻駅のひとつ手前。今回は、坪尻駅に停まることを確認済みである。
阿波池田で琴平行きに乗り換えた。
新改と同じく、本線からはずれて左へ下りていく。
ここが坪尻駅。15分くらい停車したと思う。
駅舎を出るとこんな感じ。駅前。ロータリーとかバス停とか、ない。
夏は蝉の声がすごいだろうな。
駅舎。
特急の通過。
いいところだった。
1本しかないホームに高知方面と岡山方面のまったく反対の列車が停まるから、よく見て乗らないといけないな。駆け込み乗車は危険だな。駆け込んでくるための道はないが。
2020年ツイッターで活躍することちゃんに、その9年前に出会って写真を撮っていた!
琴平に着いて、乗り換えてそのまま岡山へ戻ろうと思ったが、ふと思いついて琴電にのって高松へ行ってみた。高松から船に乗ろうと思ったが、少しの差で間に合わなかった。また今度にしなさいってことだな。
電車には琴電のことちゃんが大きく書いてあった。
2018年に高松を再訪し、それ以来すっかりことでんファンになったのであった。仏生山温泉、TOYTOYTOY、屋島、海沿いを走ることでん、還暦の赤い電車、が特に好き。(2020年追記)